その全てをやろうとしているこの男に、敗北感を抱かずにはいられなかった。


「……邪魔して悪かったな」


一言そう言い残して、彩花ちゃんの元に帰った。


「……もう帰ろう」


隣で何か言っている彩花ちゃんをほっときながら、俺は立川がいる水族館を後にした。



今までで一番胸が痛い。


立川のことを考えると胸が張り裂けそうなのに、考えずにはいられない。


何で俺は、後をつけになんて来たんだろう?


何で俺は、立川を好きになったんだろう?


何で立川を好きなのが、俺だけじゃないんだろう?









俺は今まで感じたことのない感情を抱きながら、家に帰った。