『美鈴ね、明日あの男と水族館行くのよ?楓君、心配じゃないの?』


「…あの男?」


『そう、例の美鈴の幼稚園時代の友達。』


「あぁ、あいつか~。って!水族館!?」


『うん、水族館。しかも2人っきりで!』


「……………」


『楓君、ほっといていいの?あの男、絶対美鈴のこと好きよ?2人にしたら何があるか分からないわよ!』


「………何時?」


『10:20駅集合!時間厳守で!でも、2人にバレないように帽子とか被ってきてね!』


「………分かった。」











何故俺は、この時行くなんて言ったんだろう?


あんな物を見るなら、行かなきゃ良かったと後悔することぐらい分かってたはずなのに…


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そして、次の日。


今日は遅れずに駅に着くことができた。


少し遅れて、彩花ちゃんも到着した。


「あれ?一輝は?」


「…一緒なんて言った覚えないけど?」


てっきり一輝も一緒に行くんだと思っていた俺は、早くも来たことに後悔した。


「…そうだっけ?」


「うん。あ!男来たわよ!」


「ホントだ…」


少し遅れて立川の姿も見えた。


…まじで、二人で水族館行くんだ。


今さらながら、そのことを痛感した。


でも…


「立川、男に近づかねぇな?」