あっという間に時は過ぎ、今日は約束の勉強会当日。


滅多に持ち歩かない教科書や参考書を大量に持って、図書館に向かった。


先に到着していた一輝の向かいに座り、勉強を始める準備をする。


まずは、やらないわりに良く出来る数Ⅰから。


1年の時にやったことなんて、全くと言っていい程覚えていない。


参考書を見ながら、進めていった。


何となくコツを掴み、黙々と解いていると、急に一輝が席を立った。


「一輝、どうした?便所か?」


図書館には受験生らしき奴らが沢山いて、静まり返っている。


そのため、小声で聞いたが若干響いてしまった。


「ちょっと…ね♪」


それだけ言うと、携帯を持って図書館を出ていった。


何だ…あいつ。


意味深な行動をする一輝に疑問を抱きつつ、俺はすぐに問題に向き直った。


約10分後、一輝は何事もなかったように帰ってきた。


そのまま勉強を再開したため、俺も話しかけなかった。


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その後、1時間程集中した。


…が、俺の集中力は一気に0となってしまった。


「だぁ~~!疲れたぁ!」


その言葉に、周りは怪訝な顔をしてこっちを睨んでいる。