「沙羅はもうホント怒ってるし…。俺は…」

「何だよそれ?」

「崚馬さん…」

生徒会の人たちが出てきた。

「こいつは振られたんだぞ?高校はいって2日目で好きなやつができたから別れようって。そっちのほうがおかしいだろ?優梨が生徒会はいって不良と仲良くしてるからお前らは友達やめんのかよ?なぁ」

崚馬さんは低い声でそう言う。

「そんなこと言ってねぇよ…。優梨知ってんだろ?俺めちゃくちゃ沙羅のこと好きなんだよ…。優梨のことかばったら沙羅は怒るし…俺は別に優梨のこと嫌いになったりしねぇけど…沙羅はわかってくんねぇんだよ。俺は優梨と友達でいたいけど…沙羅に嫌われたら俺…」

「弘樹…いいよ。私ちゃんと沙羅と話すから」

「ごめん…」

弘樹は今にも泣きそうな声でそう言うと屋上から出て行った。

「優梨…」

「大丈夫です」

私は涙をこらえて崚馬さんに笑顔を向けた。

「無理すんなって言っただろ。お前には俺らがいんだから」

「そうだよ!俺にしとけ!」

拓海くんは真剣な顔でそう言う。

「ありがとう」

「優梨ちゃん…俺の胸で泣いていいよ」

「まぁ…あんたは良い奴だから友達もたくさんできるよ」

丹羽さんもちょっと無口な矢神さんもそう言ってくれた。

なんで生徒会の人たちはこんなに優しいんだろう…。

出会って2日しかたってないしお互いのこともよく知らないけど私はすごく生徒会の人たちが好きだ。

優しくされて私は思わず涙をこぼした。

「すいません…ありがとうございます…」

崚馬さんはまた私をそっと抱きしめてくれた。

「お前ら生徒会室行ってろ」

「いいとこどりですか!ずるいっすよ!」

丹羽さんと矢神さんはそう言う拓海くんを強制的に連れて行った。

私は崚馬さんの胸の中で何度もお礼を言った。

崚馬さんは何も言わず昼休みが終わるまでずっと抱きしめてくれていた。