「俺は志帆のことが好きなんすよ。優梨のことは友達としか思ってないっす」

「ホントか?」

「はい」

拓海くんは崚馬の目を見てハッキリと言った。

「じゃあなんでいつも優梨といるんだよ」

「だって席が隣だし、俺もいつも崚馬くんたちといるし、必然的に」

「じゃあその子も一緒に連れてこいよ」

「でも慎司くんとか嫌がるじゃないっすか」

「お前の女だったら嫌がんねぇよ」

「…ホントは、志帆が崚馬くんたちと仲良くなるのが嫌なんすよ」

拓海くんは頬を赤く染めてそう言う。

「はぁ?」

「生徒会室に連れて行ったら仲良くなるじゃないっすか!崚馬くんと龍治くんは彼女いるけど慎司くんとか弘樹はいないから…」

「はははっ!なんだ嫉妬してただけかよ」

「はぁ…」

拓海くんは耳まで真っ赤にしている。

志帆ちゃんも頬が赤くなっていた。

「優梨、帰るか」

「うん」

私たちは拓海くんと志帆ちゃんを屋上にのこして帰った。