「もしかしてあれが彼氏?」

私の瞳からポロポロと涙が溢れ出す。

南雲さんはズカズカと歩いていく。

私は南雲さんの服の裾を引っ張って止めようとした。

2人がこっちに気づく。

「優…梨…」

「てめぇ!ふざけんじゃねぇぞ!」

南雲さんは思い切り遊助を殴った。

「ってぇ…誰すかあんた」

「生徒会長の南雲崚馬だよ」

「優梨も同じことしてんじゃん」

「え…?」

「ごめん優梨。俺、真理子のことが好きなんだ。優梨のことすっげぇ好きだったよ…。今までありがとう」

「遊助…」

「ごめんな。行こう真理子」

「いいのかよ優梨」

「だって…どうしようもないじゃん…」

去っていく遊助と真理子ちゃんの背中を見ながら私は泣き崩れた。

「優梨」

南雲さんは優しくそう言って私をそっと抱きしめてくれた。

私はどれくらい泣いていたんだろう。

「南雲さん…ありがとうございます…」

「崚馬だよ」

「…はい」

「送ってく」

崚馬さんはちゃんと家の前まで送ってくれた。

次の日、私はいつもの待ち合わせ場所に行かないで1人で登校した。

「優梨!」

「拓海くん…」

私はなんとなくそのまま拓海くんと学校に行った。

「優梨」

昼休み、弘樹が気まずそうに私を呼ぶ。

もう知ってるのかな…。

私たちは屋上にいく。

「お前…朝赤髪のやつと学校きてただろ」

「…うん。たまたま会って」

「俺は…遊助も悪いと思うよ。でも沙羅が昨日ふられたばっかなのにありえないだろって…」

「…」

「遊助がいんのに男ばっかの不良しかいない生徒会にはいったり…夜生徒会長と歩いてたんだろ?…優梨にも原因があったんじゃないかって…」

「崚馬さんは…私を心配して送ってくれたんだよ。不良かもしれないけど…良い人たちだよ」

「そうなのかもしんねぇけど…おかしいよ。遊助も優梨も…」

「私…沙羅とも弘樹とも友達でいたいよ…」