崚馬はいきなり私を強く抱きしめる。

「崚…馬…」

崚馬は汗だくになって息を切らしている。

「ごめん…俺…嫉妬してた」

「え…?」

「昨日優梨追って教室行ったら…弘毅と抱き合ってただろ…?俺が悪いのに…許せなかった…」

「ごめん…」

「気持ち悪かった…あいついきなりキスなんかしやがって…」

「え?」

「…もしかして優梨、俺がしたくてあいつとキスしてたとか思ってるわけ?」

「あ…」

「俺は優梨だけだっつの!」

「よかった…」

「俺は優梨が好き。慎司にも弘毅にも誰にも絶対渡さねえからな」

崚馬は真剣な顔で真っ直ぐに私を見てそう言ってくれた。

「うん。私はずっと崚馬のものだよ」

「優梨…」

崚馬の顔がゆっくりと近づいてくる。

「あっ!崚馬先輩!」