「あっ私、A組の藤堂菜々!崚馬先輩の彼女なんだよね?」

同じ学年にこんな可愛い子いたんだ…。

「うん。桜庭優梨」

「知ってるよー!有名だもん!」

「え?」

「だって崚馬先輩の彼女だよ!?みんな崚馬先輩のことかっこいいって言ってるんだよー!」

「そうなんだ」

やっぱりモテるんだなぁ…。

「つぅかてめぇは早く出てけ!」

「ひどいですよ崚馬先輩」

「気安く呼ぶんじゃねぇよ!気持ち悪ぃな」

「弘毅だっけ?」

慎司がスッと目を細めて弘毅くんを見る。

「はい!」

「悪いけど出てって」

慎司は低い声で冷たく言い放つ。

「え…」

「慎司…?」

丹羽さんが驚いたように慎司を見る。

崚馬は目を伏せている。

「慎司先輩、どうしたんですか?」

「あんたも出てけよ。目障り」

2人は気まずそうに出ていった。