生徒会

放課後

「優梨」

私は矢神さんに駆け寄る。

「どうしたんですか？」

「きてないかと思ってた。一緒に帰らない？」

「え…？」

「嫌かな」

「そんなことないですけど…」

「じゃあ行こう」

半ば強引に矢神さんと帰ることになった。

「矢神さん」

「慎司でいーよ」

「慎司さん…どうして私と帰ろうなんて…」

「心細いとき１人にはなりたくないでしょ」

「はい」

慎司さんは優しく微笑む。

それから何ごともなく過ごした。

変わったのは慎司さんといることが多くなったこと、拓海くんと志帆ちゃんがすごく仲良くなったこと、沙羅と丹羽さんがいい感じになってきたことかな。

数週間後

夜、丹羽さんから電話がきた。

「優梨ちゃん」

「どうしたんですか？」

「…ホントは言うなって言われてるんだけど…」

「…」

「やっぱ崚馬なんかあったみたいだよ」

「え…？」

「慎司と話してるの聞いちゃったんだけど…。崚馬、慎司にお前が優梨を幸せにしてやれって任せたぞとか言ってて…」

じゃあ…慎司さんが優しくしてくれるのは崚馬さんに頼まれたから…？

「あいつ最近おかしいよ。毎日喧嘩して女遊びしまくって…。俺よりヒドい」

「…そうなんですか」

「ごめんねこんな時間に。また明日ね」

「はい…」

次の日、放課後慎司さんと公園で喋っているときに思い切って聞いてみることにした。