昼休み、生徒会室に行くと崚馬さんは怒ってるようだった。

「優梨!」

いつもは一番に崚馬さんがそう言ってくれるのにそう言ったのは拓海くんだった。

「あの…崚馬さん…?」

「なに?拓海と仲良くしてりゃいーじゃん」

そんな…。

「崚馬くん…もしかして昨日のこと誰かに聞いたんすか?」

「…別にお前を怒ったりしねぇよ」

昨日のことってもしかして水道場の…?

「ごめんなさい。無理だってわかってても…諦められなくて…」

「…まぁ、俺が惚れた女だからな。そうなっちまうわな」

「ごめんなさい…」

「いいって。ホントはすっげぇムカつくけど…諦めろなんて言わねぇよ。拓海だったら優梨とられても仕方ねぇかなって思ってるし。まぁ俺は離さねぇけど。優梨が拓海を選んだらどうしようもねぇからな」

「ありがとうございます」

「だからってこれ以上のアタックは許さねぇからな!」

「はい…」

「あの…今日なんで遅刻したんですか…?」

私がそう聞くと崚馬さんは眉をよせた。

「ストレス発散?」

「また喧嘩したのか。そのうち痛い目にあうぞ」

矢神さんが呆れたように言う。

「うるせぇな。俺から喧嘩とったら何も残らねぇよ」

次の日、崚馬さんは休んだ。

心配でメールすると、しばらく休む。心配しないで。と返ってきた。

それから一週間以上崚馬さんは来なかった。

昼休み、みんなで一緒にご飯を食べていると私の携帯が鳴る。

崚馬さんだ!!

私は慌ててでる。

「もしもし!」

「別れよう。幸せになれよ」

ツーツーと着信終了の音が鳴る。

私は携帯を耳に当てたまま固まってしまった。

頭が真っ白でみんなの心配する声も聞こえない。