「気安く呼ぶなブス!」

「ひっど〜い!私のことブスって言う人崚馬ぐらいなんだからね!」

崚馬って呼んでるんだ…。

「俺からしたらお前はブサイクだよ!こいつ見ろ!お前より百倍…いや、比べものにならねぇくらい可愛いだろ!」

崚馬くんが腕を私の首に回しながら言う。

私の顔は真っ赤になっていた。

「…彼女?」

「そーだよ!いーだろー」

「夏美のことは忘れられたんだ」

その人がそう言うと崚馬さんはピクリと反応した。

夏美って…?

「てめぇ…つぎその名前口にだしたら命ねぇからな」

崚馬さん…怖い…。

「その様子じゃ忘れられてないんじゃないの?ダメだよ。ちゃんと忘れて好きな子と付き合わなきゃ」

「黙れブス」

崚馬さんはその人を睨みつける。

なんなの…夏美って…。

「おはよ。あ、あんた…」

矢神さんだ。

「慎司くん!おはよう」

「慎司。こいつ生徒会室連れてっとけ」

崚馬さんはそう言うと歩き出す。

玄関につくと手を離される。

「わりぃ。今度…ちゃんと話すから。今は聞かないで」

「…わかりました」

教室に鞄を置いて1人でいたくなかったので沙羅の教室に行った。

「優梨ちゃん!」

沙羅と話していると丹羽さんがきた。

「丹羽さん…?」

「崚馬が…。聞いたんだろ夏美のこと」

「はい…」

「崚馬が暴れてるんだよ…。なんとかして」

「えっ?」

丹羽さんは私の腕を掴んで走り出す。