「おぉ!優梨!なに帰ろうとしてんだよ!待っててくれてもいーだろ!」

崚馬さんは普通に話しかけてくる。

「最低!!崚馬さんのバカ!!」

私は思いきりそう叫んで走った。

家につくといつの間にか涙が溢れていた。

私は自分の部屋に駆け込んで声を殺して泣いた。

夜にきた崚馬さんからの電話も出れなかった。

朝、外にでるとなんと崚馬さんがいた。

「なんだよ昨日のは」

「…二股してたなんて…ありえない」

「は?二股?俺が?」

「ファンクラブの会長さんに聞いたんだから!」

「ファンクラブの会長…?さつきか…あいつ何言いやがったんだ」

さつきって言うんだ…。

「何を聞いたんだよ」

「他校に超美人の彼女がいるって」

「…いないけど」

崚馬さんは目を見開いている。

「じゃあ昨日の人は?」

「はっ?まさかあいつのこと!?気持ち悪い〜。ありえねぇよさつきのやつ…。あいつは他校の生徒会長!昨日は会議であいつの学校行ってたんだよ」

「そうなんですか…?」

「今日はこっちに来るから。ちゃんとお前のこと紹介するよ。もうすぐ球技大会だろ?合同でやろうっつっててさ」

「球技大会?」

まだ野外学習も終わってないのにもう球技大会なんだ…。

「つぅかあんなブサイクのどこが超美人なんだよ」

「美人でしたよ!」

「ありえないありえない」

よかった…。

私たちは手を繋いで登校した。

「崚馬」

昨日の綺麗な人が校門の前で待っていた。