「沙羅!一緒に帰ろう!」

弘樹もきた。

「うん」

途中まで4人で帰って私たちはペアにわかれる。

「ごめんな」

「え?」

「俺さ…優梨のこと好きすぎて…ちょっとしたことでムカついちまって…」

崚馬さんは少し照れながらそう言う。

昼休みのことかな…。

「嬉しいです」

「そっか!」

それから崚馬さんと話しているとすぐに家の前に着く。

「あの…お茶でも飲んでいきます…?」

まだ一緒にいたくて思い切って言ってみた。

「いいの!?」

「もちろん」

私は崚馬さんと家の中にはいる。

「おかえり〜あら、かっこいいわねぇ」

お母さんがまじまじと崚馬さんを見る。

「初めまして。優梨さんとお付き合いさせていただいてる南雲崚馬です」

崚馬さんはそう言って頭を下げる。

「なんて礼儀正しい子なの!優梨をよろしくね」

「任せてください」

2人はかたく握手をしている。

「も〜こんな良い彼氏が出来たんなら言ってくれればいいのに〜。部屋行ってなさい!すぐお茶持ってくから」

「は〜い」

私たちは私の部屋に行く。

「優梨らしい部屋だな」

崚馬さんは私の部屋を探索している。

「…」

ベッドの横に飾ってある4人の写真を崚馬さんは無表情で見る。

卒業式に私と遊助と沙羅と弘樹で撮った写真だ。

未練があるわけじゃない。

ただみんなが楽しそうに最高の笑顔だから

大切な思い出だから…。

すぐにお母さんがお茶とお菓子を持ってきた。

「ゆっくりしてってね」

「はい」

お母さんが出て行くと崚馬さんは私の隣に座る。

「優梨…好きだよ」

崚馬さんの顔がゆっくり近づいてくる。

私は目を閉じる。

「優梨〜!…ごめん」

「お姉ちゃん!」

崚馬さんはバッと私から離れる。