「あいつ病気なんだ…。…心臓が悪くて…いつ死んでもおかしくないんだって…。すげぇ自分勝手だけど…俺やっぱ優梨がいい」

「私…崚馬さんと付き合ったの」

「…そっか。俺…あいつと別れたくても別れられないんだ」

「どうして?」

「俺がちょっと女子と喋ったりメールしなかったりするとすぐ死ぬって言って…別れようなんて言ったら本当に死ぬんじゃねぇかな」

「真理子ちゃんのこと好きじゃないなら…ちゃんと遊助の気持ち言って、別れたほうがいいと思う」

「…だよな」

私たちはそのままそれぞれの教室まで行った。

「崚馬くんと付き合ったの?」

拓海くんがすぐに聞いてくる。

「うん」

「そっかぁ…崚馬くんの彼女なら俺は諦めねぇとな!」

拓海くんは自分に言い聞かせるようにそう言った。