「えぇっそうなの!?」

「いいなぁー優梨ちゃんとデートなんて」

「じゃあ丹羽さん私とデートしますか?」

うわっ沙羅ちょー積極的!

「ホント?嬉しいなぁ」

なんだか沙羅と丹羽さんはいい感じになっている。

「龍治は結局女なら誰でもいーんだろ」

矢神さんは呆れたように言う。

「慎司は女の子に興味ないの?」

「そういやお前のそういう話聞いたことねぇな!」

「俺も聞きたいっす!」

「別に」

「えぇーっ!」

「でもお前さぁ優梨とは結構喋るよな」

「だからなんだよ」

「優梨はダメだぞ!」

「あっそ。じゃあ優梨にしようかな」

矢神さんはそっと私の頬に触れて顔をぐっと近づけてくる。

「えっあっあのっ…」

「冗談だよ」

びっくりしたぁ…。

「今の触り方なんか俺よりうまくなかった?ちょっとムカつくなぁ」

丹羽さんがちょっと落ち込んでいる。

「優梨はさぁぶっちゃけまだ遊助なの?」

いきなり弘樹が直球で聞いてくる。

「遊助のことは…沙羅とか弘樹とか生徒会の人たちのおかげで忘れられたよ。今はみんながいればいいんだ」

「そっかぁ」

昼休み、私は当番でごみ捨てに行っていた。

「優梨」

懐かしい声に思わず振り返る。

「遊助…」

遊助は目を泳がせる。

「真理子ちゃんとはどう?」

「あぁ…普通だよ…優梨は最近どう?」

「相変わらずだよ」

「そうか…」

前と違う他人行儀な会話に私はなんだか笑ってしまった。

私たちはしばらく笑いあっていた。

教室に戻ろうとすると真理子ちゃんに呼び止められた。

「遊助に近寄らないで」