「ちょっ崚馬くん!」

拓海くんが私から崚馬さんを話す。

「冗談。あれ友達?」

崚馬さんってなんだか表情がコロコロ変わる気がする…。

「伊崎沙羅です!」

「あっ柴咲弘樹です!」

「仲直りしたんだ」

崚馬さんは優しく微笑む。

「はい!ありがとうございました!」

「沙羅ちゃん可愛いね。どう?俺の女になってみない?」

「へっ?」

丹羽さんに手を握られ沙羅は顔を赤くしながら戸惑っている。

「ちょっと沙羅をからかわないでくださいよ」

弘樹は沙羅の手を引っ張る。

「可愛いからつい」

丹羽さんは舌をペロッとだす。

「ていうか矢神さんって意外と喋るんですね」

「いつもこいつらが勝手に喋るから話す必要がないだけだよ」

確かに…。

「だからお前は怖がられるんだぞ!」

崚馬さんはそう言いながら矢神さんの肩をくむ。

「うるせー」

「慎司は実は俺らの中で一番良い奴だよ!冷静だしちゃんと人のこと考えられるし。崚馬とは大違い」

「俺が一番に決まってんだろ?」

「おもしろいね」

沙羅がこっそり私に言う。

「ダメダメ!こんな男ばっかのとこ沙羅はダメ!」

「なんでよー」

「よぉし!みんなでカラオケだな!」

崚馬さんが沙羅と弘樹の肩をくんで言う。

みんなまだ傷だらけなのに…。

私たちはみんなでカラオケに行った。

帰り、私は崚馬さんと歩いていた。

「良かったです。みんなが仲良くなって」

「あぁ」

「そういえば今日心が痛いって…ホントに冗談だったんですか?」

私は少し気になっていた。

一瞬だったけど冗談を言っているとは思えなかった。