「ねぇ拓海は?」

休み時間、志帆ちゃんが心配そうに聞いてきた。

「わかんない…」

昼休みになり私は生徒会室に行ってみた。

中には誰もいない。

私は玄関でみんなを待った。

校門から4人が来るのが見えた。

私は慌てて走る。

みんなの顔は痣だらけでボロボロだった。

特に丹羽さんがヒドい。

「ど…どうしたんですか?病院に行ったほうがいいんじゃ…」

「大丈夫!慣れてるから」

丹羽さんはボロボロの顔でニッと笑う。

「じゃあ保健室だけでも…」

「悪いけど保健室から救急箱とってきてくれない?」

矢神さんに言われ私は急いで保健室で救急箱を借りて生徒会室に行った。

私は一番ヒドい丹羽さんから順に手当てした。

「いつもみたいにただのヤンキーとの喧嘩ならここまでなんないんだけど…」

崚馬さんは痛そうに傷に触れる。

「俺がしくったから……ヤクザに拉致られちゃってさ」

「ヤクザ!?」

「なんとか勝ったから。まぁいいじゃん」

崚馬さんはそう言って微笑む。

「あんまり…喧嘩しないでください」

「心配かけて悪いな。でも俺らは売られた喧嘩は買う主義なんだ」

矢神さんは無表情のままそう言う。

「なるべくしないようにするよ」

いつも元気に喋る拓海くんもさすがに痛いのかあまり喋らなかった。

「とりあえず今日は口痛いからカラオケは無理だな」

丹羽さんがノンキに言う。

「今日は生徒会の仕事だよ。たまってるぞ」

私たちは放課後、生徒会の仕事をなんとか終わらせてみんなで帰った。