「超うまそうじゃん!!
トモって家庭的なんだね」

「…トモ?」

初めて名前で呼ばれて変な感じがした。

「みんなお前のことそう呼んでるんだし、問題ないだろ?」


すこし恥ずかしそうにそう言う彼をみて、思わず笑顔になる。


「わかった。
良いお友達として、よろしく」


先程とは反対に、今度はあたしから手を差し出した。

優しい握手。


「残酷だよな〜」

そう言いながら苦笑いをされて、ちょっと申し訳なくなった。

この立場のあたしが何を言っていいものなのか困っていると、

「ごめん、やっぱり今の取り消し。
気を取り直して飲もうよ」

と言ってグラスにカクテルを注ぎはじめた。


童顔からは考えられないくらい彼は大人で…
ちょっとだけ見なおした。