「おはようございます。6月に入り、沖縄の梅雨入りから次第に本州も本格的に梅雨入りをしましたね」
テレビに映るお天気お姉さんは今日も笑顔だ。



憂鬱。


私の気分はこの漢字二文字で表せるだろう。
窓に雨粒が打ち付けられる音がする。何とか起き上がり、カーテンを開けると空は黒と灰色のマーブル模様。雷がゴロゴロと遠くで鳴っている。

頭が痛い。

それでも、大学には行かなければならない。学生ですから。不謹慎だが、学生ならではの魔法「代返」を使いたかったが、あいにく今日の講義は友達と一緒ではない。教養科目で高校のときから好きな世界史を一人でとってしまったため、行くしかないのだ。


私はすっかり目を覚ましていたが、アラームは昨日の夜私が設定していた時間になったので激しいロックがケータイから鳴る。ほんとは最近アラームは必要ない。
雨のせいで眠れないからだ。春から急に偏頭痛持ちになり、この季節は私にとってかなり厳しくなったには違いない。だが、元々眠れない。

雨の音が苦手。雷が大嫌い。いい加減慣れたいけど、それも叶わない。


ベッドに入り、ただ小さく丸まりじっと夜が明けるのを待つ。


ベッドの側の小さなテーブルに置いたテレビのリモコンに手を伸ばし、朝のニュースに耳を傾ける。


お天気お姉さんの笑顔が羨ましくて、眩しい。