「綾瀬さん単位ギリギリなんでしょ? ちゃんと授業に出た方がいいよ」

「う・る・さ・い。学年トップに言われてもやる気おきない」


 形の崩れたブレザーを着直してベッドに座る。

 こいつがいると眠れない。

 保険医に光のことを聞いたら「知らない方がおかしい」と珈琲を飲みながら言われてしまった。

 何でも学年トップの成績で相当な有名人らしい。


 でも私は知らない。


 そういう優等生とかに興味がなかったから。