でもいかにも、私は優等生です、っていう雰囲気が漂っているあたり特進クラスの人間だろうか。


「君いつも保健室で寝てるの?」

「あんたには関係ないじゃない」

「つれないなー」


 こいつウザいな。

 めんどくさいことは嫌いだ。
 寝返りをうつようにして有名人さんに背を向ける。


「寝ちゃうの?」

「ここには寝に来てるの」

「そうか……。教室に戻ろうかな」


 そう言ってそいつは椅子から立ち上がる。

 どのくらいここにいたんだろう。

 長い間、参考書を読んでいたのか、声が少し掠れているように感じた。