先輩の意味不明な言葉に、涙がすーっとおさまっていく。



「……ん?泣かねーの??」

「……はい」


そんな……泣き虫なんて思われたくない……


「ふーん……あっそ」



そう言って先輩は歩き出した。


「あ、あのっ!」

あたしが叫ぶと、先輩は顔だけこちらに向けた。


「なんで……なんでキスしたんですか?」


色々聞きたいことはあったけど、一番気になっていたことを尋ねた。



「別に。ただの気まぐれ?」


そう言って、先輩は帰っていった。