やがて、第504駆逐小隊を運ぶ輸送機は、市街地上空へと到達した。

輸送機の後部ハッチが展開し、冷たい風が吹き込んでくる。

相当な高度から見える、ミニチュアのような市街地。

その上空を、10匹の赤褐色の怪鳥が旋回しているのが見えた。

神獣『朱雀』。

蝙蝠のような皮膜の翼と、逆三角形の頭部、炎のように爛々と輝く鋭い眼を持つ、体長5メートルの怪物。

翼こそあるが、研究家の話によれば、鳥類よりも限りなく爬虫類に近い生物らしい。

現在では日本だけでなく、中国や韓国、台湾といった地域にまで出没し、繁殖するようになった。

世界規模で朱雀が猛威を振るうようになるのも時間の問題だという事だ。

今に神獣達は、人類滅亡の引き金を引く存在になるかもしれない。