「な…」

流石の俺もこれには意表を突かれた。

まさか九条が俺に対して、そんな感情を抱いていたとは思わなかったから。

思わずうろたえ、狼狽し、九条に対して何事か返答しなければならないと考えていた、まさにその時。

「!?」

基地内に警報が鳴った。

…俺達が第504駆逐小隊に配属されて、初めて聞く警報。

御手洗少佐から説明は受けていた。

この警報は、呉基地の管轄範囲内に、神獣が出現した事を告げる警報…!

「いきましょう、刹那君」

俺よりも素早く、九条が反応する。

肩越しに俺を見て。

「さっきの返事は、後で聞かせてくださいね」

などと、はにかみながら。