早乙女大尉は何を言いたかったのだろう。

首を傾げながら廊下を歩いていると。

「っ!」

事務局から御手洗少佐が出てきた。

酷く驚いたような少佐の顔。

その後。

「と、特獣自衛隊本部からの電話があってな。少し話していたんだっ」

聞きもしないのに、少佐はそんな事を俺に言った。

「そうですか」

何と言っていいかわからず、俺はそんな返答を返す。

そして、ふと早乙女大尉の事を思い出す。

もしかしたら、早乙女大尉は御手洗少佐の電話を盗み聞きしていたのだろうか。

それにしても、俺と九条に気をつけろとは、一体…?