そんな神谷くんと隣の席のあたしは

嫌でも関わらなきゃいけない・・・

今は数学の時間。

「じゃあ今やった小テスト隣どうしで交換して」

・・・・きた・・・

神谷くんは態度は悪いケド

一応授業はうけてる。半寝だけどね。

「あのー神谷くん?プリントを・・・」

「あ゛?」

「プリントを隣どうしで交換しろって先生が」

「あぁ。はい。」

プリントを渡された。

[あたしのはやってくれないだろうなぁ]

そう思って、神谷くんのプリントを丸付けしだした。

「あんたのは?」

「え?」

「あんたの丸付けしないといけないだろ」

「あっはい」

驚いた。

正直やってくれるとは思ってなかったから。

「へぇ。あんた頭いいんだ」

「いえ、そんなことはないですよ」

「つか、あんたの声初めてきいた」

「そうですね。あたし喋るの苦手なので」

「いや、うるさいよりはいい」

ドキっとした。

顔はいつもどうり、キレイで無表情。

だけど声が優しかった。

そんな些細なことでドキドキしちゃうなんて・・・

どんだけ男の子慣れしてないんだよ。

その時あたしのケータイが震えた。

ケータイを開くと電話だった。

あいつだ・・・

授業中だから、さすがに出るわけにもいかず

電話を切った。

「あ、猫だ」

隣から声がした。

神谷くんはあたしのケータイの待ち受けを見ていた。

「あぁ、あたしの猫です」

「飼ってんの?」

「はい」

「いいなぁ」

神谷くんがポツリと言った。

「好きなんですか?猫」

「うん」

時が止まったような気がした。

目の前にあるのは初めて見た神谷くんの笑顔。

とてもまぶしい。

その時心の中に生まれた感情に気がついた。

この感情はなに・・・?