だから、


俺は二枚目に徹した。



あくまで、水を差す、ちょい役のつもりで。

まぁ、ほっぺにキスくらいは許してくれよな。

ひと目惚れなんだ。



明日、奴を問い詰めてやらなきゃ。

ちゃんと『ケジメ』をつけたのかどうか。

ちゃんと渚ちゃんを、安心させてやれたのかどうか。



「ねぇ、僕と付き合ってみよう、とかいう子はいないのぉ」

俺は思いっきし甘えた声で女子達に向かって問いかけた。

「えぇ~むりぃ~」

口々に返ってくる否定の声に、俺は少し安堵する。



嗚呼、なんか急に寂しい気分になってきちまったじゃねぇか……