「あっ、はじめまして。片桐渚です。
忍くんとは、小学校の時からの友達で、おまけにお隣同士で、なので、よろしく」

ちょっと頬を赤らめて、首を少し傾げながら、渚がニコリと微笑んだ。

「ひょぇ~『シノブくん』っだてよぉ~萌えぇ」

「何だ、お前らぁ、俺をおちょくる気かぁ~
だいたいお前もだなぁ、何だ『シノブくん』ってのは、いつも『シノブ』って呼び捨てだろぉがぁ」

野郎どもを目の前に、女を演じる渚を睨みつける。

「ま、ね、確かに」

俺の睨みにたじろぎもせず、頷いたその口調は、いつもの渚で、

だがしかし、その目がうつろに光ったのが気にかかる。