(あれは何だったのだろう。

お母様から、決して口外するなと言われている大地から聞こえる声。

それは、あの光とも関係があるのだろうか・・・。

大地の力が弱くなっている。

人々の心が何かを失いかけている。

それはジプサムに関係があるのではないか・・・

だから・・・確かめなくては。

この目で確かめなくては。

私は、今のジプサムを確かめなくてはならない・・・)



エレベーターは地下5階で止まり、ゆっくりとその扉を開く。

途端に、鼻を突く硫黄のような匂いが扉に流れ込んで来た。


「な、何?!」

リディアは咄嗟に口元を押さえた。


「リディア様、これを・・・」

ケインはもし何かの異常があったら・・・と、フランから渡されていたマスクをリディアに手渡しながら眉を顰めた。


「一体、これはどういうことだ・・・。」