「それは・・・想い出・・・なの?」


「そうとも言う・・・。

それは、人が生きてる限り増えていくだろ。

決して減るもんじゃねェ。」


「うん。」


「だから、お前がここに生きてる限り、お前の大事なモノは、全部、この中にある。」

ユウリはリディアの胸の辺りを指差しながら言う。


「・・・でも・・・」


「たとえ、今はそれが見えなくなっちまってるとしても、それは壊れても、無くなってもいねェ。

そうだろ?」


リディアは大きく頷いた。


「もう一つ・・・、

お前がいつか、その大事なモノを全部取り戻したとして、それがお前にとって仮に辛いモノだったとしても、それはお前の生きてきた証だ。」