「アタシは、まだ3歳だったから、ほとんど覚えてないんだけどね。

でも、その後こっちへ引っ越してきたのは覚えてるよ。

ママがすごく・・・悲しそうだったから・・・。」


「そう・・・だったのね・・・。」

リディアは、視線を下に落としたまま、次の言葉を捜す。


「まぁ、昔の事だからさ。」

ユウリはカラスの方に顔を向け声のトーンを上げる。

「そんな訳で、アイツはメカが大好きで、暇さえあればあそこへ行ってメカいじりをしてる。

んで、ここ最近のアイツの夢は親父の形見の航空機を飛ばす事。 

俺がラドニアからくすねて来る最新パーツをくっつけては喜んでやがるって訳だ。」


「大体、兄貴の作るモノが空なんか飛ぶわけないんだから~!!」

ココは、白い歯を見せながら、あはは と笑う。


「お~い!! ココお前、リディアさんに今何か、余計な事言わなかった~?!

言っただろぉ!!」

小屋の前から、カラスが大声で怒鳴る。