「痛て!!」

「カラス、勝手に妄想走らせんな!!」

「ほんと! 我が兄ながら恥ずかしいったら!」

ココが下を向く。


あっはははは!!


(ダイニングに響く沢山の明るい笑い声・・・

沢山の温かい笑顔・・・

そして食卓の上には、大地の恵み・・・


自然に頬が熱くなる。

自然に口元がほころぶ。

どれだけ忘れていたんだろう・・・私。


こんな、幸せな時間を・・・)


リディアの胸の中には、僅かに、けれど確かに、温かい何かが甦り始めていた。

「ねぇ、後で・・・見せてくださる?

飛べない・・・鳥・・・?」



「了~解!!

あ、でも・・・飛ぶから。 ね!」

カラスは片目を瞑って、親指を突き出した。