「分かりました。 ありがとうございます! ライト先生。」

リディアは大きく頷くと、オープンエアーの小さなジープの前で待つ、小柄な少年のもとへ向かった。


「さてと、ほんじゃ俺も行くとするか。」

ユウリはボストンバッグを背中に担ぐとゆっくりと戸口を跨ぐ。


「ユウリくん、ちょっと・・・」

ライトがその腕を掴む。


「あぁ?」

「ジャコスさんに言われたのですか?

彼女を監視するようにと。」


ユウリは眉を寄せてライトを見る。

「なんでお前がそんな事訊くんだよ。」


「決して焦っては駄目ですよ。

彼女の過去は自分自身の手で取り戻さなければ・・・・。

彼女は、まだ覚醒していない。

彼女が何らかの憎しみを持った状態で覚醒してしまえば、彼女は恐らくその力をコントロール出来なくなってしまう・・・。」


ライトはユウリの目を真っ直ぐに見据えると、やや声を落とし早口でそう言った。