Side 一臣
「一臣、ごめん」
「謝るなら武も作れよ」
手伝えと俺を呼んだ癖に働かずに香澄とずっと話していた武が俺の方へ近付いて来て謝った。
「…いや、そうじゃなくて、ごめん」
「……は?何がごめん?」
そうじゃなくて、ってどう言う意味だよ。
「…うん。ヤキソバとワタアメ、手伝いが終わったら多めにやるから許して」
「……武?」
俺が意味を分かっていないにも関わらず、武は一人で謝って一人で納得する。
ー…本当意味分かんねぇ。
その後、俺の隣に立ち、出来たヤキソバを白い入れ物に入れはじめた意味分かんねぇ武が
「それにしても、」
ぶつぶつと独り言を呟きはじめる。
「好きな子いるって分かっても気にしてないって笑ったって事は、」
「武、お前独りご「一臣は今の所脈無しだな…」」
………は?