(あぁ…、どうしよう)


恋人同士みたい。

あたしに合わせて歩いてくれる歩調。

浴衣だからか、この前よりほんの少しゆっくりめ。

迷子にならないよう、しっかりと指を絡めるように繋いでくれる手。

何だか、夢みたい。

この夢が現実になったらいいのに。

って、現実だった。

ー…こう言う事が当たり前になったらいいのにな。

あたしにもう少し勇気があれば、きっと伝えられる。


(…けど、)


チラリと一臣君を盗み見る。

その横顔は相変わらず格好いい。


(告白出来たからと言って、)


うまく行くとは限らない。

フられた時の事を考えると、勇気はまだ出ない。