そんな拗ねる雪にクラスの女の子が何人か近付いて行って、『拗ねてる雪君も可愛いね』なんて言ってる。


「あれ…?雪ってモテるの?」


雪達の方を眺めながらみっちゃんに聞くと、しらっとしたような表情で


「モテるんじゃないの」


と何故か冷たく言い放った。


「みっちゃん?」

「ん?」


どうしたの?と聞こうとしたらあたしに笑顔を向けてくれる。

冷たいと思ったのはきっとあたしの気のせいかもしれない。


「で、一臣君へのメールだけど」

「………っ」


話があたしの方に戻っちゃって思わず赤くなっちゃったと同時に、携帯のバイブ音が鳴り始める。


「???」


誰だろう、と携帯を取り出すと、


「………!!」


サブディスプレイに移ったのは一臣君の名前。


(わ、どうしようっ)


思わず携帯を握りしめてあわあわとしてしまう。

か、一臣君からメール。

メール来ちゃった。

え、何だろう?

ドキドキと大きく鳴る心臓。

携帯のメールのボタンにゆっくりと手を伸ばす。


ドキドキ

ドキドキ


ゴクリと唾を飲み込んでからボタンを押そうとした瞬間、


キーンコーン、カーンコーン

ガラッ


「……授業始めます」

鳴ってしまったチャイム。


「高城さん、早く携帯仕舞わないと没収しますよ」

「………」


先生、来るの早過ぎ。