「違うけど、好き?」
「………っ」
一瞬で照れて真っ赤になったあたしに、お兄ちゃんは苦笑しながら、
「そっか。じゃあ雪は…」
と呟いた。
…また、雪?
不思議に思っていると、未だ開けっ放しのドアの前を、お姉ちゃんが通りかかった。
「拓と香澄で楽しそうに話してるのなんて、ずるい。あたしも混ぜて」
部屋の中を見て、お姉ちゃんが入って来て、お兄ちゃんに抱き着く。
お姉ちゃんって地味に弟大好きだったりする。
「…水乃。離れて」
「あれ?拓は反抗期?」
「反抗期じゃなくて、もう抱き着く年じゃないだろ?それに彼氏にバレたら大変じゃねぇの?」
「あー…、我慢を知らないもんね。あの人。ー…でも大丈夫。優しい王子様だから」
「我慢出来ないけど優しいって、矛盾してない?」
「いいのっ。そんな事より何の話?…あ、もしかして香澄の恋の話だったりして」
「「………」」
「あれ、当たり?」
なになにーっ?相手誰ーっ?
と、お姉ちゃんが瞳を輝かせながら聞いてくる。
そこから姉弟妹3人で照れるあたしの話をした。
お兄ちゃんは凄く抜けたそうだったけど、
それでも、
(うちって仲良いなぁ)
なんて思った。