「せっ……、先生っ!!!」
「?!」
シャワーを済ませて着替え終わった俺の耳に届いたのは、市川の叫び声。
普通じゃありえないほどの叫び声に、急いで部屋を飛び出る。
「市川?!」
「先生っ!! こっち! 早くっ……や、……いやっ、」
「……―――くそっ!」
市川の部屋からだと思っていた悲鳴が食堂から聞こえてくる事に気付いて、1つ舌打ちをしてから階段を降りる。
食堂までの距離にもどかしさを感じながら、二段飛ばしで階段を駆け下りると、食堂の端に市川の姿を見つけた。
市川の無事な姿に安心してから食堂に足を踏み入れる。
「なんだよ、無事じゃん。
すげぇ声出すから、またいつかみたいに襲われでも……って、どうした?
顔が青いけど……」
1つ息をついたものの、市川の目には涙が溜まっていて。
涙目で青ざめる理由が分からなくて眉を潜める。