6月16日

06:40

『実さん
今日は何時頃に帰れそう?』

『あー‥多分6時前ぐらいだと思うよ。
じゃあいってくる。』

『いってらっしゃい。』

実はそう言って仕事へと向かった。

これが実と百合子の最後の会話。

16:20

百合子は台所に立ち晩ご飯の準備をしていた。

『ままー
ご飯なぁにー?』

桜は百合子の元へと走っていき足に纏わり付く。

『今日はねーオムライスよ。
ほら、桜。
危ないから向こうで遊んでてちょうだい。』

―ピンポーン

桜に注意をした後すぐインターホンが鳴る。

『あら‥誰かしら?
はーい』

パタパタと廊下を走って行きドアを開ける。

―ガチャ

『‥?』

そこに立っていたのはキャップを深く被っている男。

『‥どちら様ですか?』

キャップを被った男の顔が百合子の方へと向く。