『‥‥‥‥え?
あ‥はーい』

百合子は玄関の前まで行くと足が止まった。

ピンポーン ピンポーン

‥‥タイミングがよすぎる‥
実さんが出てすぐにあの電話がきてインターホンが鳴るなんて‥
‥‥‥‥何かおかしい‥

ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン ピンポーン‥

『な‥』

声が出ない‥
何なの‥?

『まぁまー』

幼い桜が百合子の足に纏わり付く。

『桜!
しーよ!しー!』

百合子は桜を黙らせる。

"もしもの時"に桜だけでも助かる様にと思って。

ガチャガチャガチャガチャ!!

『‥っ?!』

玄関の扉のドアノブを回している。

鍵はかけているが開くのではないかと思い百合子は冷や汗が止まらない。