『じゃあ百合子。
行ってくるよ。
留守電にしとくんだぞ?』

『わかってるわ。
いってらっしゃい。』

心配しながらも実は家を出た。

『まったくもう‥
心配性ね。
ねー桜〜』

桜は『ねー』と百合子の真似をしながら首を傾げた。

―プルルルルルル プルルルルルル‥

『‥留守電にしたし、無視でいいか。』

‥プルルルルルル プルルルルルル プルルルルルル




‥実さんが出て行ってすぐに電話がくるなんて‥

タイミングがよすぎる‥

プルルルルルル プルル
―ただ今電話にでることが出来ません。
ピーっという発信音の後にお名前と連絡先をどうぞ。


ピー




『ゆぅりぃいこぉぉおぉぉおお
可哀相に‥好きでもない男と結婚させられて‥‥‥‥
百合子は僕が好きなんだろぉ?
すぐに一緒になってあげるからねぇえぇえぇぇえ』
プツッ ツー ツー ツー‥‥‥




『‥な‥に?』














ピンポーン