町の一角──路肩に車を駐め、外に出たメイソンは携帯で誰かと話をしている。 <少年を保護しているのは、ベリルという人物なんだな?> 電話の主は上司だろう、少し慌てたような声色だ。 「そう名乗りました」 珍しい上司の態度にいぶかしく思いながら、そのあとの言葉に聞き入る。 「──! なんですって!? まさかっ!」 ハスキーな声で語られたベリルの正体にメイソンはそれ以上の言葉が出なかった。