「・・紗絵ッ!?」 俺が紗絵の名を呼ぶと紗絵は一瞬目を見開き、動揺した素振りをみせる。 絶対に勘違いされてる。 俺は紗絵の誤解を解こうとした。 すると紗絵が近寄ってきて俺に傘を押しつけるようにさしだす。 「えと、あの・・・か、傘忘れてたみたいだから・・・そのっ!えと、これ使って・・・!」 紗絵の早口に圧倒され、俺は傘を受け取って呆然としていた。 「紗絵ッ!」 俺が紗絵を呼んだときには紗絵はもう走り出していた。