紗絵が俺の傍にいることで辛い思いをしているんじゃないかって。 だから、俺は紗絵と距離をとることにした。 夜は少し遅めに帰ったりすることが増えた。 次第に紗絵との会話も減っていった。 でも紗絵は、どんなに俺が遅く帰ろうともご飯を作って待っていた。 俺にはそれが嬉しくて嬉しくて仕方ないことだった。 でも、何を話せばいいのか分からなくなっていた。 俺の発した言葉で紗絵を傷つけたくなくて。