話かけてもいいのかな・・・。
でも、迷惑かもしれない。
一応、妻だけど・・・。
そんな権利ない。
なにより、コウくんが私に妻顔されるのイヤなんじゃないかな。
でも、コウくんは傘持ってないし・・・。
「コウくんッ・・・。」
意を決して呼んだその時、一緒に出てきた女の人がコウくんにキスをした。
「・・・・・・。」
なんで、こうもタイミングが悪いんだろう。
「・・紗絵ッ!?」
私の発した声がコウくんに届いていたのかな。
コウくんが私に気づいた。
「えと、あの・・・か、傘忘れてたみたいだから・・・そのっ!えと、これ使って・・・!」
私はコウくんに傘を押し付けて早歩きでその場をさった。