「とりあえず自己紹介からね。あたしは姫菱咲月(ひめびしさつき)。18歳よ。みんなからは『姫』って呼ばれてるわ。で、彼は…」

「錐生怜(きりゅうれい)。24歳」

「あたしは宇佐美小夜(うさみさよ)、16歳です!」

「ウサギ…?」

「宇佐美です!」

「それで、うさちゃんはどうしてここで働きたいんだ?アルバイトなら他でも募集してるだろ」

もう呼び方は「ウサギ」で決定しちゃったみたい…

「それは…」

「それは…?」

「ここをでてくるお客さんがみんな幸せそうな顔をしてたから…」

「というわけで、あたしはここで働きたいんです!」

「でもなぁ…」

「じゃあこうしましょ!」

「え…?」

「は…?」

「一日体験アルバイトをしてもらうの。その働きで判断する。これでどう?」

「…はあ。しかたないな」

「じゃあ決まりね」

「よ、よろしくお願いします!」


こうしてアルバイト採用試験が幕を切っておとされた。