「すみませーん…」
扉を開けるとカランカランとベルが鳴った。
「ごめんなさい。まだ開店してないんですよ~」
奥からモデルさんと思うくらい美人な人がでてきた。
「い、いえ。あたし、お客さんじゃないんです」
「あら、そうなの?」
「はい。えっと…その…
あたしをここで働かせてください!!」
「う~ん…そう言われてもねぇ…。小学生はアルバイトできないのよ?」
「へ…?」
「もうちょっと大きくなってから来てね」
彼女はあたしの頭をポンポンとなでる。
「あ、あたしは高校生です!!」
「え?そうなの?」
今までもよく間違えられてきた。
すべてはこの親ゆずりの童顔と身長のせい。
昔のイヤな記憶を思い出し、イライラしていると…
「おい、どうした?」
「あら、怜くん。ちょうどいいとこにきた。この子、ここでアルバイトしたいみたいなんだけど」
「…小学生には無理だろ」
「だから高校生です!!」
「それに今はアルバイトなんて募集してないぞ」
「お願いです!あたしどうしてもここで働きたいんです!」
「まあまあ、とりあえず座って話を聞きましょうか」