動揺のあまり舌が回らない。
「それは秘密」
にっこりとした笑顔で言われ、拍子抜け。
秘密。
そう。
もういいよ。
きっとあたしのこと、からかってるだけなんだよ。
なんだかモヤモヤした気分になったから、話を変えた。
「それより、あたしは何で佐野先生と一緒に寝てるんですか!?
あと、いい加減、離してください!」
「覚えてないのか? 昨日、鷹井に襲われて、気失ったんだよ」
そういえば…。
そのことを思い出し、体がブルッと震えた。
すると、佐野先生が急にさらに強く抱きしめてきた。
「ちょっ…何で強めるんですか!? 離して下さいよ!」
少し苦しい…!