「今浮かんだ人が千沙ちゃんの好きな人なんじゃない?」
――そんなバカな。
そんなわけない。
だって。
あたしはもう――先生にだけは恋しないって決めてるんだから。
「いらっしゃーい」
慶太くんに迎えられて、あたしはあゆみちゃんと一緒に部屋に入った。
「いらっしゃい」
中にいたのは慶太くんと鷹井くんだけだった。
…あれ?
たしか、ここの三人目は――。
「ねぇ、仲間くんは?」
あゆみちゃんがふたりにたずねた。
それは、あたしも今疑問に思ったこと。
慶太くん、鷹井くん、仲間くんの三人が一緒の部屋だったはずだ。
「あ~、アイツは…たぶん女のトコ、かな」