「えー、どうしよっかな~?」
「千沙ちゃん!!」
「嘘、嘘! 言わないわよ。じゃあ、今から慶太くんトコ行って頑張らないとね! 仕方ないからついてってあげるよ!」
鷹井くんにからまれないことを願うしかない。
「ありがとう~千沙ちゃん!」
勢いよくあゆみちゃんが抱きついてきた。
「く…苦しい、あゆみちゃん」
「あ、ごめん!」
あゆみちゃんはあわててあたしから離れた。
「ねぇ、あたしの好きな人教えたんだから、千沙ちゃんの好きな人も教えてよ?」
「…え?」
…好きな人?
「い、いないよ、そんな人!」
「千沙ちゃん。今、一体誰の顔が思い浮かんだの?」
あゆみちゃんにまっすぐ見つめられ、何も言えなくなった。
誰の顔が浮かんだ?